「アナトリアの伝説」 第23回

今日は、イズミル地方のお金を世界で初めて発明した民族リディア人の時代の伝説である、クモになった娘、アラクネの伝説をお伝えします。

「アナトリアの伝説」 第23回

紀元前の歴史にイズミルの南にコロフォンという大きな町がありました。この町の人々は、芸術や商業を発展させて暮らしていました。この町にはとてもすばらしい織物の技を持つ娘が暮らしていました。

手工芸や織物の腕があまりに優れていたため、彼女の作業を見る者はうっとりするのでした。彼女の超人的な才能を、彼女が作業しているときに見ようと遠い土地からやって来る人々もいました。手に取った羊毛を優れた技で編み棒で返し、すぐに糸に変えるのでした。

この娘の別の特徴は、会話が嫌いなことでした。彼女を眺める人々のむだ話には決して答えませんでした。人々は彼女を時の宗教による織物の女神アテナと比べ、「これほどすばらしい織物の技をアテナから教わったのか?」と尋ねるのでした。この問いに対しずっと黙っていた娘は、ある日この問いに嫌気がさして、「この仕事は誰からも教わっていないわ。完全に自分でやって腕を磨きながらここまで来たのよ。女神アテナからも教わる必要はなかったわ。」と言います。

この言葉を聞いた女神アテナはとても怒りました。そして我慢できずに娘の住むコロフォンの町にやって来て、娘にその言葉を言ったかどうか確かめました。

アテナと娘はそれぞれ機織り機を前にして競争を始めました。2人とも好きな材料を使って織物を作り始めます。織物に描かれるモチーフは自由です。2人は虹の色のすべてが入った金色と銀色の糸を手に取り、競争を始めました。アテナは自分と海の神ポセイドンとの競争を描き、娘はゼウスが牡牛の姿で絶世の美女エウロペを背中に乗せて誘拐するさまを織り始めました。

アテナは自分の父ゼウスをからかっているような娘のモチーフにとても怒り、手に取ったハサミや織物の道具で娘をたたき始めます。娘は地に倒れ、丸くなり、糸に絡まって体中を血に染めてしまいます。娘のこの姿を見て悲しくなったアテナは、娘を「アラクネ」という名のクモに変えます。

その日から現在まで、クモの糸は、織物職人が作った絨毯やキリム、手工芸に似ているのです。古代のエーゲ地方やクレタ島では、アラクネが描かれた硬貨が使われており、この伝説を伝えています。


キーワード: アナトリアの伝説

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