「アナトリアの伝説」 第24回

紀元前1000年、アナトリアの中央部にトラキア地方の民族フリギア人が大帝国を築きました。

「アナトリアの伝説」 第24回

その伝説的な時代から中世まで、国家の統治では占い師の予言が大きな役割を果たしてきました。

フリギア人の首都は、アンカラのポラトル付近にある町ゴルディオンでした。ある予言によると、フリギア人の王が後継者を残さずに死ぬと、ゴルディオンに荷車を引いてやって来た最初の者が新しい王となるということでした。偶然の結果、その朝ゴルディオンの城門を開くと、質素な村人であるゴルディオスが牛車を引いて、物を売るために城門をくぐりました。中で待っていた群衆は喜びに包まれて新しい王を拍手で迎えました。ゴルディオスは一介の村人だったにもかかわらず、偉大な王であることがすぐに判明しました。国土を四方に広げました。フリギアで作られる銅の品物、織物、家具は、世界のあちこちで売られるようになりました。技術が優れていたため、フリギア人は貿易で大いに繁栄しました。

ゴルディオス王は、自分が王の座に就くきっかけになった荷車を神殿の前に引いてきて、牛が繋がれた矢に、大きく絡まった結び目を作りました。占い師によると、この結び目を解いた者は、全世界を支配することになるということでした。王は自分の後継ぎとして、伝説的な王となる皇太子ミダスを残して亡くなりました。ミダスについては多くの伝説があり、ミダスは死ぬまで国を治めました。

その生涯の終わりごろ、帝国はアナトリアに襲来したペルシャの手に渡りました。それから何百年も経ち、多くの人物が挑んだにもかかわらず、誰一人としてゴルディオンの結び目を解くことができませんでした。伝説は膨らむ一方です。ペルシャ帝国はギリシャをも征服しようとしましたが、ギリシャ征服は長い戦いの後もうまくいきませんでした。ペルシャ帝国はアナトリアの支配に満足せざるを得ませんでした。

それから何百年もの時が経ち、紀元前300年代にマケドニア国王となったアレクサンダー大王は、まずギリシャをその覇権のもとに統一しました。騎馬隊を率い、新しい軍事技術と戦略を磨いた後に、大王はアナトリアに向かいました。大王の軍はチャナッカレとアンタルヤの近くで遭遇したペルシャ軍を2度打ち負かしました。

大王はアンタルヤの近くのパンフィリア古代都市にやって来ると、ゴルディオンの結び目の逸話を耳にしました。大王は進路を北に向けて、この結び目を解くためにゴルディオンにやって来ました。そして、神殿の前にある荷車のもとへやって来ました。占い師全員が、人々が、大王の軍隊が、大王が結び目を解くかどうかと、どきどきしながら待ちました。アレクサンダー大王は結び目を解くために大いに奮闘しましたが、どうしてもうまくいきません。しまいには怒って剣を手に取り、結び目を真っ二つに切りました。占い師も、人々も、軍隊も、驚きに包まれました。にわかに喜びの叫び声が高まり、誰もが、結び目が解けたのは神の印だと言いました。

ゴルディオンの結び目を解いた軍の指導者として人々の精神的な支えともなったアレクサンダー大王は、東方のペルシャの地に攻撃を仕掛けました。大王は短期間でペルシャ軍全軍を打ち負かし、イラン、シリア、イラクの地域、さらにエジプトの支配権を握りました。それにも飽き足らないアレクサンダー大王は、アフガニスタン、パキスタン、さらにはインドにまでも進軍しました。伝説的なアレクサンダー大王は、当時知られていた世界の全体を支配しました。そして、若くして死ぬまで世界に君臨しました。今日、解決がとても難しい問題を意味して使われるゴルディオンの結び目という言葉とその伝説は、今も広い文化の中に息づいています。


キーワード: アナトリアの伝説

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