「トルコ外交政策へのまなざし」 第2回

アタテュルク大学国際関係学部ジェミル・ドアチ・イペク博士著

「トルコ外交政策へのまなざし」 第2回

トルコ共和国は、2017年に新たな方向を明らかにし、これによって大きな跳躍を遂げました。私たちも今回、トルコの外交政策の2017年の成果を分析します。

トルコの外交政策の2017年の成果を決定づけるテーマは、世界的・地域的側面での驚くべき進展、内政における構造的変革、テロとの戦い、新たな模索と方向付けでした。トルコの外交は2017年初頭から最後の日まで、率先的な行動や驚くべき方向付けにより積極的な動きを見せました。地域的な面だけではなく、世界的な規模でもその存在を見せつけました。2017年のトルコの外交は既知のラインを超えて様々な取り組みも発展させました。これらの取り組みにより新たな友好関係や協力関係が生まれました。また、既存の友好関係や同盟関係の一部に疑問を投げかけました。

2017年のトルコの外交が主に焦点を当てた地域は、中東です。特にシリアに関する進展は、トルコの外交政策にとっての転機となりました。テロ組織PKKのシリアにおける派生組織PYDとYPGが本質的な標的になりました。トルコは、テロの根源の根絶を目的とした新たな安全保障の概念に見合った形で、北シリアでの軍事活動を拡大しました。この方向でロシアとイランとともに、シリア危機の解決のために積極的な模索を開始しました。シリア危機に関してトルコは、ロシアとイランとともにアスタナ・プロセスを開始しました。トルコのイラク政策においても2017年に重要な変化が見られました。特にイラク・クルド地域政府のバルザーニ大統領が国際法に違反して住民投票を行う決議を採ったことが決定的なポイントとなりました。住民投票の決議を受けてトルコはイラク中央政府とイランと同盟し、現場のバランスを自国にとって有利に変化させました。

アメリカのドナルド・トランプ大統領が(一部の国や地域でエルサレムと呼ばれている)クドゥスに関する危険な決議を採った後に、トルコは新たな外交活動を開始しました。イスラム世界とともに重要な外交ステップを踏み、この問題を国連総会に持ち込みました。この件はトルコが頻繁に語っている「世界は五か国より大きい」という見解が正しいことを証明する世界的な試みとなりました。またトルコは、ミャンマーでロヒンギャ族に対し行われている虐殺行為に非常に厳しい反発を表明し、世論の注意をこの問題に向けるよう努めました。

トルコの外交政策にとって、2017年は欧米の同盟国との関係において最も問題のある時期となりました。アメリカ、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、ドイツをはじめ、多くのヨーロッパ諸国との間に様々な問題に関する不和が起こりました。アメリカとは、シリア危機や、テロ組織PKKのシリアにおける派生組織PYDへの支援、「フェト」こと、フェトフッラー派テロ組織の首謀者ギュレンの身柄返還について、ヨーロッパ諸国とも「フェト」やテロ組織PKKとの戦いをめぐる緊張が問題となりました。欧米の同盟国がトルコのテロ組織との戦いに必要な支援を行わなかったことは、その国々との関係における基本的な問題となりました。トルコはこの問題において引き下がらず、自身の権利を守り通しました。この点で、ためらうことなく厳しい発言や挑戦を行いました。その結果、欧米との関係は緊張しました。一方、トルコとロシアの間の軍事も含むあらゆる分野における協力活動が行われ、両国は接近しました。また、トルコはベネズエラのような、接点のなかった国々とも新たな友好関係を築きました。アフリカへの進出を加速化させました。この方向で、ソマリアとスーダンと軍事協定を締結しました。アジアとアフリカ諸国とも新たに包括的な関係を築こうと努める中、既存の繋がりを強化するためにも尽力し続けました。

トルコは国際的な領域で政策を行おうと努める中、構造的な問題の解決を模索し続けました。この点で、内政において重要な変化を遂げました。大統領制が政府のシステムに移行しました。こうしてトルコは2023年の目標を達成するために重要な構造的弊害を取り払いました。そのほか、テロとの戦いが、内外の政治の重要な議題の1つとなりました。なぜならトルコは2017年を通じて「フェト」、PKK、DEASH(ISIL)などのテロ組織との戦いを、国内外で続けたからです。

テロ事件と2016年7月15日のクーデター企て未遂事件の結果、2016年にその潜在能力を発揮しなかったトルコ経済は、諸々のリスク減少とともに2017年に成長を遂げました。トルコは第三四半期に11.1パーセントの成長率を達成し、G20諸国の中で最速で成長した国となりました。

エネルギー政策でも、2017年に大きな進展が見られました。トルコでは国産エネルギーへの移行に向けて、ここ数年で重要な活動が行われています。トルコはエネルギー分野での外部依存を減少させるために、原子力から再生可能なエネルギーまで、非常に多様な分野での投資を、速度を落とすことなく続けています。

要約すると、2017年は、トルコの外交政策にとって、新たな方向への新たな動きが活発化した時期となりました。



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