「トルコ外交政策へのまなざし」 第6回

ミルズィヤエフ大統領の就任1年目におけるトルコ・ウズベキスタン関係

「トルコ外交政策へのまなざし」 第6回

アタテュルク大学国際関係学部ジェミル・ドアチ・イペク博士著

 

ウズベキスタンのシャヴカト・ミルズィヤエフ大統領が、就任1年目を迎えました。私たちも今回、ミルズィヤエフ大統領の就任1年目と、トルコ・ウズベキスタン関係を分析します。

ウズベキスタンでおよそ25年間政権の座に就いていたイスラム・カリモフ大統領の死後、ウズベキスタンで実施された大統領選挙を制したのは、シャヴカト・ミルズィヤエフ氏でした。少し前に、ミルズィヤエフ大統領は、就任1年目を迎えました。

2017年2月にミルズィヤエフ大統領は、(多くの分野で包括的な改革を含む)2017-2021年度向け開発戦略を承認しました。1年間のうちにウズベキスタンで最も包括的な構造改革は、経済分野で実現しました。ミルズィヤエフ大統領は、1年間で、以前国家の圧力を受けていた経済自由化に向けて、約40の改革を始めました。

ミルズィヤエフ大統領は、カリモフ前大統領の孤立政策を捨て、他のトルコ系諸国との関係を改善化することに意欲的であるように見えます。ミルズィヤエフ大統領の最初の外国訪問先がトルクメニスタンだったことは、この方向における指標です。これまでの14ヶ月間でミルズィヤエフ大統領は、外国訪問の比重をトルコ系諸国の指導者たちに置いてきました。カザフスタンの大統領と6回、トルクメニスタンとキルギスの大統領とそれぞれ3回会談しました。また、トルコも1回訪問し、ウズベキスタンで行われたものも含めて、トルコのレジェプ・ターイプ・エルドアン大統領と2回会談しました。

ウズベキスタンの近隣諸国との関係を発展させる努力は、地域的な協力活動にとって新たなチャンスです。2017年11月10-11日にウズベキスタンの都市サマルカンドで国連のもと「中央アジアにおける安全保障及び持続可能な開発」という国際会議が開かれました。この会議で、2018年のネヴルズ祭の前にアスタナで中央アジア5か国と指導者の首脳会議を開催することが決定されました。トルコ系諸国の間で拡大するこの協力活動は、独立したトルキスタンの課題の取り組みのために必要な条件を揃えることができるでしょう。中央アジアの他の4か国にも近い位置にあることにより、今後ウズベキスタンが地域的な貿易センターとなる可能性があります。

ミルズィヤエフ大統領は最初の1年で同国のメディアに対し、より大きな自由を与えました。そして農業に縛られる重労働を解消する具体的な政策を行いました。2019年1月1日以降、政府の許可がなくとも、ウズベク国民が国外に出国するのを妨害してきた出国ビザを撤廃することを決定しました。また、2月10日以降、ウズベキスタンは、トルコ共和国の国民に、30日間のビザ免除を適用すると伝えました。これは、全くもって非常に重要な進展です。

トルコは、1991年にウズベキスタンの独立を承認した最初の国です。そのため、両国関係は急速に発展しました。2005年にウズベキスタンで起こったアンディジャン事件について話し合いが行われた国連総会の会合で、トルコはウズベキスタンに反対する票を入れました。そのため、1991年に好調にスタートした関係は、2005年以降は停滞し続けました。それでも、エルドアン大統領とミルズィヤエフ大統領の相互の訪問が、関係を再び強化させています。サマルカンドで行われた会談で、エルドアン大統領が「両国関係における新たなページ」、ミルズィヤエフ大統領が「もはや言葉の上だけではなく実際的な協力活動の時が来た」と述べたことは、今日さらなる意味を持つようになりました。

ウズベキスタンは歴史的なつながりにより、トルコの辿ってきた道と精神が還っていく国です。今や両国関係の停滞した時期は終わったと言えるでしょう。トルコ・ウズベキスタン関係では、テキスタイル、医療、観光、革製品をはじめ、経済とテロとの戦いに重きを置いて安全保障における協力関係も急速に発展するでしょう。もちろん、この関係を、市民団体、メディア、学術機関も協力して支える必要があります。カザフスタンにあるトルコ・カザフ・アフメト・イェセヴィー大学のような、共通のトルコ・ウズベク大学が設立されれば非常に有益になります。キャンパスの1つがイスタンブールに、1つがサマルカンドに置かれる「トルコ・ウズベク・ウルー・ベイ大学」は、トルコとウズベキスタンが持つ歴史的な知識の蓄積をトルコ系地域で実践に移すという大役を担うでしょう。両国の共通の価値であるハナフィー学派/スーフィー・イスラムが、サラフィー主義に対抗するユーラシアにとっての合理的な選択肢となる可能性があります。この点において、両国共に大きな義務を負います。

ミルズィヤエフ大統領の時代は、ウズベキスタンにとって新たなスタートとなりました。カリモフ前大統領は、トルコ評議会をはじめ、地域的な協力機構に対し常に距離を置く政策を行ってきました。この政策の変化は、地域の役者とウズベキスタンが恩恵を受ける土台となり得ます。ウズベキスタンには通貨とエネルギーの面で一部問題があることがわかっています。この問題を解決するために、外国人の投資や、トルコ評議会などの地域的な協力活動が役立つ可能性があります。

ミルズィヤエフ大統領は、ウズベキスタンと地域についてよくわかっており、この点で経験豊富です。今後の過程でウズベキスタンがトルコやトルコ評議会との関係を発展させることが、その周辺地域にとってもトルコ系の地域にとってもとても重要です。なぜならウズベキスタンはトルコ系地域の鍵となる国だからです。



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